6月19日はJuneteenth(ジュンティーンス)という、アメリカの奴隷解放記念日です。この日は黒人の歴史を振り返り、自由を得るまでの長い戦いを讃えて祝います。Juneteenthという名前は、June(6月)とnineteenth(19日)を組み合わせて付けられました。
1863年1月、リンカーン大統領は奴隷解放宣言に署名し「奴隷として拘束されていたすべての人は今後は自由である」と宣言しました。
しかし、当時まだ南軍が支配していたテキサス州の地域に奴隷解放宣言が届いたのは、それから2年半も後になったのです。
1865年6月19日、ゴードン・グレンジャー将軍はテキサス州ガルベストンに到着し、南北戦争の終結と奴隷制度の廃止を宣言し、晴れて、アメリカ全土の奴隷が解放されました。
ですので、リンカーン大統領が正式に署名した1月ではなく、6月19日が事実上の奴隷解放記念日となりました。
奴隷たちは解放され、個人の権利と財産所有の権利が認められました。主人と奴隷の関係は撤廃され、雇用主と雇われ人という新しい関係になりました。
その後、解放された奴隷たちはアメリカ中に自分たちのコミュニティを築いていき、アメリカ全土で6月19日が記念日として祝われるようになったのです。
1872年、ヒューストンでは解放された奴隷が、毎年6月19日を町の祝日として祝うために土地を購入しました。そして、その場所は新たに解放された町のコミュニティの中心として機能しました。
彼らはその場所をEmancipation Park(解放の公園)と名づけました。Emancipation Park(エマンシエイションパーク)では、現在も祝祭が行われています。
その後年月が経つにつれて、Juneteenth(6月19日)は徐々に忘れられていきました。しかし1970年代にJuneteenth(6月19日)は再び復活し、活気を取り戻し盛り上り続けています。
今では、毎年アメリカの各地でJuneteenth(6月19日)を祝う行進が開催され、ヒューストン、ミネアポリス、ミルウォーキーでは大規模な祝賀会が開かれます。
テキサス州では、Juneteenth(6月19日)を公式の祝日と認めています。多くの州で祝日として認識されてきていますが、さらに多くの州が正式に州の祝日と定めようと動いています。アメリカ連邦議会もJuneteenth(6月19日)を連邦の祝日と認定しようと努力しています。
今年2020年で155周年を迎えるJunetenthは、今まで以上に世界から注目されています。
ツイッター、ナイキ、ターゲットなどの企業が、6月19日を企業の休日と認めると発表しました。
警察によって黒人が殺害される事件が多発したことをきっかけに、Black Lives Matter(ブラックライヴズマター)運動が世界中で起り、それに関連してJuneteenthにも注目が集まっています。
トランプ大統領は6月19日に政党の決起集会を行う予定にしたことで、世間から批判を受けました。その後大統領は、最初の日程を変更し、一日延期して20日に決起集会を行うことを発表しました。
アメリカのABCニュースのYouTubeです。Juneteenthの歴史がわかりやすく説明されています。字幕が出るので、英語の学習として見てみてください。