英会話学習者が苦手に思う冠詞『the』

子音の前だと「ザ」に近い音になり、母音の前だと「ジ」みたいな音になる。と、中学英語で習います。

英語を話す時に、名詞の前に置くだけでも大変なのに、発音が変化するなんて、パニック!なんてことありませんか?

でも安心して下さい。この『the』に関してはネイティブも発音を意識して変化させているわけではありません。

先日、同僚のカナダ人が『the apple』を「ザアッポー」と言ったので、「え、ジじゃないの?」と尋ねたところ、???となりました。母音の前で発音が変化する規則は知っているが、勝手に口が話しているから、わざわざ変化を気にして話したことはない、と言うことでした。

他の同僚にも、同じように質問してみました。アメリカ人とオーストラリア人です。彼らも、このカナダ人と同じように、後ろの名詞が母音だから、子音だからと言う理由で音を変えていないとのことでした。

そこで、その3人全員に

「じゃあいつ「ジ」って発音するの?」

と聞いたところ、とても強調したい時だけだという回答でした。

例えば『the White House』(アメリカ合衆国大統領の住居し、執務を行う官邸)の時は「ジ」って言うそうです。

普通の「白い家」ではなくて「ホワイトハウス」だと言うことを強調するからだそうです。

辞書によると以下のような説明がなされています。

before consonants usually t͟hə , before vowels usually t͟hē , sometimes before vowels also t͟hə ; for emphasis before titles and names or to suggest uniqueness often ˈt͟

Merriam-Webster’s Dictionaryより引用

「通常、子音の前では「ザ」、母音の前では「ジ」となる。時には母音の前でも「ザ」。 タイトルや名前、唯一無二であることを強調するときは、しばしば「ジ」と発音する。」

ルールはありますが、私たちが中学英語で習った通りの理解で、ネイティブが話しているわけではないということです。もちろん、彼らも強調したい時は、意識して「ジ」と発音しているわけです。

面白いことに、英検やTOEICの音声教材は、母音、子音の前で『the』の音が変化しているのがはっきりわかります。

ということは、英検の2次面接やTOEICのスピーキングテストを受ける時には、意識して音を変化させないと減点の対象になりうるということです。

生きた英会話は、教科書からは学べない時があります。実践して、間違えたり、体験したりして覚えていくのが、一番の近道です。